【2023年9月】国土交通省の令和6年度予算要求、住宅施策の変化は?
国土交通省が令和6年度予算の概算要求の概要を公表しました。まだ要求した段階で決定したものではありませんが、国土交通省がどんなことに力を入れようとしているのかが分かります。
住宅関連の令和6年度予算要求は次の通りです。
住宅エコリフォーム推進事業
住宅・建築物省エネ改修推進事業
2050年カーボンニュートラル、2030年度温室効果ガス46%削減(2013年度比)の実現に向けて、住宅・建築物分野の省エネ対策の強化、木材利用の促進を図ります。
・「住宅エコリフォーム推進事業」の予算拡充を要求
「住宅エコリフォーム推進事業」では、省エネ診断や省エネ設計、省エネ改修(または建て替え)の費用に対して、上限枠まで補助金が交付されます。2023年度の事業では、省エネ基準適合レベルなら30万円(交付対象費用の4割まで)、ZEHレベルなら70万円(交付対象費用の8割まで)を限度に補助金が交付されるものでしたが、すでに予算枠に達してしまい受付を終了しています。2024年度の予算要求では拡充となっているので、より多くの件数に対応できるように予算枠を増やす考えだと思われます。
住宅エコリフォーム推進事業・住宅・建築物省エネ改修推進事業の拡充を要求(現行制度の概要)/令和6年度「住宅局関係予算概算要求概要:国土交通省住宅局」より抜粋
・「長期優良住宅化リフォーム推進事業」継続の予算を要求
「長期優良住宅化リフォーム推進事業」では、所定のリフォームを行った場合に、工事費用の3分の1を限度に、100万円(長期優良住宅(増改築)認定を取得する場合は200万円)まで補助金が交付されます。ただし、若者・子育て世帯が工事を実施する場合や既存住宅を購入して工事を実施する場合などでは上限額が50万円加算されます。この事業については、2024年度に継続する予算要求をしています。
長期優良住宅化リフォーム推進事業の継続を要求(現行制度の概要)
子育て支援型共同住宅推進事業
・「子育て支援型共同住宅推進事業」の予算拡充を要求
子育て支援型共同住宅推進事業という補助制度は、マンションなどの共同住宅で、子どもの安全・安心や快適な子育て等に配慮した改修などを行った場合に補助金を出す事業です。今住んでいる分譲マンションの住戸で、子育て中の区分所有者などが、条件に該当するリフォームを行うと、2023年度の場合は、補助対象事業費の3分の1までで上限100万円の補助金が交付されます。2024年度は、この補助制度を拡充する予算を要求しています。
子育て支援型共同住宅推進事業の拡充を要求(現行制度の概要)
対象が限られたり、申請や受領が事業者となったりするものも含めて、補助金などの支援策はほかにも数多くあり、継続や延長、拡充などの予算要求がされています。
なお、令和6年度予算概算要求概要の公表と同時に、令和6年度国土交通省税制改正要望事項についても公表されています。税制改正要望についても、期限切れを迎える減税制度の延長が多いですが、住宅のリフォームに関する減税制度で、現行の「耐震」「バリアフリー」「省エネ」「三世代同居」「長期優良住宅化」のリフォームに加え、「子育て対応」に関するリフォームを加えるように要望しています。
2024年度のこども・子育て政策については、目新しいものはありませんが、地道に予算や税制の要望をしているという印象を受けました。